最終更新日:2020/05/07
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この記事を読んでいるということは、
「有期雇用派遣ではなく無期雇用派遣で雇用されたい」
「時給ではなく月給で働きたい」
といった理由から、無形雇用派遣で働こうと考えている方がいるでしょう。
ただし、無形雇用派遣には、仕事先を選べないことや給料がなかなか上がらないといったデメリットがあります。
無形雇用派遣のデメリットを知らずに働き始めた方は、「働き始めたけど業務内容が思っていたのと違った」など、後悔する可能性が高いです。
この記事では、働く前に把握しておきたい無形雇用派遣で働くデメリットとともに、押さえておきたいメリットや「そもそも無期雇用派遣とは?」と疑問に思っている方に解説をしていきます。
具体的には、大きく
の順番にご紹介していきます。
本記事を読み終えた頃には、無期雇用派遣で働く時に注意すること、無形雇用派遣のデメリットを理解できます。
これから無期雇用派遣で働こうか迷っている、辞めようか迷っている方に参考になる内容です。
【目次】
[開く]
そもそも「無期雇用派遣」という単語をあまり聞いたことがなく、イメージしづらい方が多いかと思います。
無期雇用派遣とは、「無期雇用派遣社員として」派遣会社と雇用契約を結び、登録型派遣社員と同じように派遣先で就業する働き方です。
平成25年(2013年)に改正された『改正労働契約法』においてルールが定められて、平成30年(2018年)4月より無形雇用派遣という働き方が生まれることになりました。 (参考: 労働契約法の改正について)
無期雇用派遣は派遣社員に影響のある2018年問題から注目を集めている働き方です。
概要を説明すると「派遣社員」として働くことに3年間という制限がかかるキッカケとなった出来事です。
2018問題については、「【2018年問題】派遣法改正で派遣社員から正社員になれるって本当?」こちらで詳しく解説しているので参考にしてください。
無期雇用派遣とは、派遣会社と派遣社員が期間を定めずに雇用契約を結んでいます。
一方、登録型派遣の場合は期間を定めて雇用契約を結びます。
下記にそれぞれの特徴をまとめました。
無期雇用派遣は、給与が月給であり無期雇用なのに対して、有期雇用派遣は給与が時給であり、雇用期間は有期期間などが違いとして挙げられます。
無期雇用派遣の場合、派遣会社へ採用選考を通過する必要があります。
採用されればその時点で派遣会社と雇用契約を結びます。
雇用期間が無期限なので、派遣先が見つかっていない場合でも派遣会社から休業手当が支給されます。
常用型の派遣労働者の場合、次の派遣先が見つかるまでの期間は、①派遣元事業者において就業する。(派遣元事業者内の業務に従事する)、②研修を行う、といった対応がなされるほか、これらができない場合には、③自宅待機による休業を命じ、休業手当を支払う、といった対応が取られることがあります。引用: 常用型 ( 期間の定めのない雇用) の派遣労働者 - 厚生労働省
一方、登録型派遣の場合は派遣登録をした時点では雇用契約は結ばれません。
実際に派遣先で働き始めてから、雇用契約を結ぶことになります。
2014年11月6日に厚生労働相が「休業中の手当ては、最低賃金を下回っても問題はない」と述べました。
休業手当はあまり期待しない方がいいかもしれません。
引用: 派遣法改悪案 “無期雇用”でも休業に/「最賃以下でも問題ない」 塩崎厚労相認める
無期雇用派遣で後悔をしたくない方は、働く前にデメリットを把握しておきましょう。
デメリットを把握せずに働き始めた場合、「給料が上がらなかった」「ボーナスがもらえなかった」などの理由で後悔する可能性があるからです。
無期雇用派遣には、単純作業が多いのでスキルアップしづらいデメリットがあります。
無形雇用派遣で働こうと検討している方は、働く前にデメリットとリスクを把握して、働いても後悔しないのかを確認しましょう。
無期雇用契約は時給制ではなく、月給制であることが一般的です。
仕事内容によって給料も変わらないため、決められた給与のなかで働かなければいけません。
一方、登録型派遣であれば派遣先を自由に選ぶことができます。
無期雇用派遣は、派遣先を転々する場合があるため責任のある仕事を任せられることはありません。
1年から3年の期間で働くのはいいかもしれませんが、5年から10年の期間で見ると正社員として企業に雇ってもらう選択肢も考えた方がいいかもしれません。
無期雇用派遣で働くには、派遣会社の採用選考を通過する必要があります。
登録型派遣で働いていた方は「とりあえず個人情報を入力して登録しとこう」と思っている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、無期雇用派遣は登録型派遣のように、個人情報を入力するだけで登録が完了するわけではありません。
なぜなら、無期雇用派遣は常に派遣先での就業が求められるので、長期的に安定して働ける人を採用したいと考えているからです。
そのため、選考や採用試験を設けており誰でも採用されるという訳ではないので落ちる可能性があります。
無期雇用派遣の採用選考では、学歴や職歴なども評価基準に入りますが働く意欲も重要な評価基準となっています。
なぜなら、派遣会社が仕事を紹介しても「働きたくない」と断られると、待機時間に休業手当てを払わなければいけません。
そのため、派遣会社は派遣先に社員を派遣させる目的あります。
よって、採用選考では働く姿勢が重視されます。
無期雇用派遣は、労働条件などの希望は派遣会社に伝えることはできますが、派遣会社の都合で派遣先を選べない可能性が高いです。
もちろん、希望の勤務地や業務内容などは多少考慮されますが納得できる派遣先がある可能性は少ないです。
また、無期雇用になって安定した派遣先で働ければいいのですが、派遣先とのトラブルなどが原因で様々な会社で働く可能性もあります。
このような状況を踏まえると、派遣先を選ぶ選択肢が少ないことは無期雇用派遣のデメリットだといえます。
登録型派遣の場合は、雇用先の勤務期間のみ雇用契約が発生します。
しかし、無期雇用派遣は派遣先が見つからない場合は見つかるまで平均賃金の60%の支払いが発生します。( 参考: 常用型 ( 期間の定めのない雇用) の派遣労働者 - 厚生労働省)
そのため、派遣会社は休業手当を払いたくないので派遣先を紹介します。
それにもかかわらず、「勤務地が遠い」「休日の曜日が指定できない」といった理由で派遣先を断ってしまうと派遣会社から働く気があるのかと不審に思われてしまいます。
よって、派遣先を断ると解雇される可能性が高くなります。
職種や派遣先によっても異なりますが、無期雇用派遣社員に任される業務には正社員のように大きな責任を伴う業務がないことが多いです。
求人をみても、ピッキング作業や工場勤務など、マニュアルに沿って業務を行う単純作業です。
仕事内容から、「責任感ある仕事を任されたい」と思っていても、そのような求人を見つけるのは難しく、スキルアップがしづらいです。
ここまで、無期雇用派遣と登録型派遣の違いや無期雇用派遣のメリットをみてきました。
ここからは、働く前に押さえておきたいメリットについても詳しく解説していきます。
無期雇用派遣のメリットの一つとして、同じ職場で働き続けることができます。
一方、登録型派遣は労働者派遣法によって3年間でキャリアが途切れてしまいます。
同一の派遣先の事業所において、派遣可能期間(派遣先で新たな労働者派遣を受け入れてから3年) を超えて派遣就業することはできません。 ※ ただし、派遣先が派遣先の事業所の過半数労働組合等から意見を聴いた上で、3年を限度として 派遣可能期間が延長される場合があります。
引用: 派遣で働く皆様へ - 厚生労働
無期雇用派遣には、正社員のような扱いを受けられるため交通費が支給される場合が多いです。
そのため、派遣会社から通勤手当が支給されます。
しかし、登録型派遣の場合は交通費の扱いは派遣会社や派遣企業によって異なるので注意しましょう。
第485条
弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。引用元: 民法第485条(弁済の費用)の解説 - 法律条分解説
登録型派遣でも派遣会社によっては、しっかりと交通費を支給してくれる会社もあります。
交通費の支給があることは、無期雇用派遣の大きなメリットといえます。
また、派遣の交通費について知りたい方は派遣社員は交通費がもらえない?もらえなくても得する方法を参考にしてください。
それでは、口コミから無形雇用派遣で働くデメリットとメリットをみていきましょう。
無期雇用派遣の悪い口コミについてみていきましょう。
無資格・未経験求人が多く有資格者にはあまりよい条件がない
今働いている特養には、他の転職支援サイト経由で派遣で入り、もうそろそろ契約期限が切れるため、次を探そうとスタッフサービスメディカルに登録しました。
一応、資格は持っているのですがスタッフサービスメディカルの求人、無資格・未経験OK案件が多いんですよね。
もちろん、資格所有者は未経験・無資格の人と比べると給与が若干高いのです。
しかし、基準が無資格・未経験者なためか、資格持ちの人の給与、他と比べると若干安いような気がするんですよね。
キャリアアップ支援も、すでに資格を持っているので私には全然魅力が感じられません。
無期雇用派遣希望なら話は別ですが、介護関係の資格を既に持っている人は他で探したほうがいいかもしれないです。
求人に記載されてるように、好きな方を選ぼうとありますが、基本選べません。
前職と同じ業種は嫌ですと、入社前にお話ししてたのに、配属先は、前職と同じ業種でした。
2ヶ月新しい職場にいますが、営業担当からのフォローや何もありません。
派遣先に、営業担当の人と面談したり連絡きたりしてるの?て聞かれて、配属されて2ヶ月以上経ちましたが、営業担当からご連絡あったことは一度もないです。と答えたら、え、そんなことあるの?と驚かれました。
職場によって、仕事内容も違うだろうし、配属先によって休みも違うのに、給料は同じでボーナスも同じなので、やりがいは正直ないです。
お休みは取りやすいので、正社員で働けるところを探すつもりです。
続いて、無期雇用派遣の良い口コミについてみていきましょう。
出荷事務という、全く知らなかった業務ですが、その業務を経験することができ、スタッフサービスではいろいろなことを学ばせてもらうことが出来ました。
普段は、募集をしていない会社の仕事だったので、無期雇用派遣で働けてとても自分のスキルアップになりました。
電話対応から、来客の対応など、初めてのことばかりで戸惑うこともありましたが、派遣から次の仕事に行く際に、派遣のときにいろいろと経験させてもらったために、次の仕事でも生かせることがありました。
初めてのことが沢山ありましたが、やはり、指導してくれる人が必ず居るということで、新しいことにも挑戦してみようという気持ちになれて、さらに、分からないことがあったときに、責任者に確認が出来るというのが、派遣で仕事をする上でとてもタメになったことです。
スタッフサービスが紹介してくれた仕事のおかげで、今の仕事にも役立っています
「有期雇用だけど長期間働き続けたいから転換したい」「契約更新の度に不安だ」と感じている方もいるでしょう。
ここでは、「有期雇用から無期雇用に転換はできるの?」という疑問に答えていきます。
結論から言うと、有期雇用(派遣社員)から無期雇用への転換はできます。
2013年の労働契約法改正により、雇用期間が通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換できるルールです。通算5年のカウントは平成25年4月1日以降に開始した有期 労働契約が対象です。(労働契約法第18条:平成25年4月1日施行)
有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換することで、「社員と同じ複利厚生を受けれるようになった」「契約更新月にハラハラしなくてよくなった」などのメリットがあります。
無期雇用の契約更新の緊張や不安から解放されたい方は、有期雇用から無期雇用に転換することを考えてもいいかもしれません。
厚生労働省が発表している公共職業安定所(ハローワーク)における求人倍率などを指標にしている「一般職業紹介状況」によると、2019年(令和元年)5月の有効求人倍率は1.62倍でした。
つまり、求職者1人あたり1.62件の求人があるということなので仕事を選ばなければ正社員になることが容易ということです。
しかし、いくら正社員に就職しやすいとはいえ、就職先の企業で「仕事内容がやりたいことと違う」「もう少しいろんな職種を経験してみたい」と感じることもあると思います。
そのような場合、一度派遣会社で様々な職種を経験することも検討してもいいかもしれません。
自分の条件に合った派遣会社で働きたいけれども、派遣会社の数が多すぎてわからないと思う方もいらっしゃると思います。
派遣会社は全国に7万社以上あると言われているので、むやみやたらに選ぶのはおすすめできません。
派遣会社によっては、会社の利益を考える会社、営業担当のサポートや対応が丁寧など様々な会社が存在します。
無期雇用派遣のデメリットをまとめると以下の通りです。
無期雇用派遣は、メリットもありますが、デメリットも多いため、理解して働くことが大切です。
「派遣先を選びたい」「スキルアップをしたい」という気持ちが変わらないのであれば、派遣会社を変えてみることも検討しましょう。
あなたが前向きに仕事に取り組める環境に出会うためにも、派遣先だけの変更にとらわれず、働き方そのものを変更することも選択肢の一つです。
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