二重派遣って違法なの?二重派遣に関する派遣業界の実態とは!?

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最終更新日:2019/11/29

「二重派遣って聞いてもよくわからないし…」と思う方は多いでしょう。

しかし、派遣社員の皆さんにとって二重派遣は無縁ではありません。二重派遣をよく理解してないまま、知らない間に二重派遣の被害にあってるってことも考えられるからです。

ちなみに、2017年時点で約129万人もの派遣社員が日本全国で働いています。

それだけ派遣の需要が高いということは、いつどこで二重派遣の被害に巻き込まれるかわからないということですね。

二重派遣の被害に巻き込まれないためにも、しっかり理解しておく必要があるということです!

今回は、そんな二重派遣について、派遣社員の皆さん向けにわかりやすく解説します。 

目次[開く]

そもそも二重派遣って何?

二重派遣というフレーズを聞いたことはあっても、その内容を把握している人は多くないかもしれません。
まずは、二重派遣の内容を理解しておきましょう。

二重派遣とは、派遣会社(派遣元)と雇用関係のある派遣社員を受け入れた就業先(派遣先)が、派遣先の業務をさせずに、別の会社の業務に就かせることです。

つまり、表面上では、「派遣会社と就業先(派遣先)」の契約にも関わらず、その裏側では、「全く関係のない別の会社で働かされる」ということです。

このような事例が過去頻繁に発生し、「二重派遣」が社会問題に発展しました。 

具体的に二重派遣ってどんなのがあるの?

もう少し具体的に説明しましょう。  

ケース1:契約した派遣先から、さらに別の会社で仕事…明らかに二重派遣
仮に、派遣社員Aさんが派遣先Bで働くことが決まったとします。ということは、派遣会社は派遣先Bとの間で、契約が成立しているというわけです。

当然、派遣社員Aさんは、派遣先Bで働くと思うでしょう。しかし、実は出社してみたら、派遣先Bが契約している別の会社Cで働くことになった…これは明らかに契約違反、二重派遣です。
ケース2:契約した派遣先で、グループ会社のお仕事…感覚的にはわかりにくいけれど、二重派遣
派遣社員Aさんが、派遣先Bで働いていたとします。

派遣先Bでは、繁忙期は忙しく人手不足になりがちで、やっとその繁忙期が終わった矢先、派遣先Bの上司からこう言われました。

「隣の◯◯会社(同じフロアで一緒に働くグループ会社)が忙しくて困ってるらしいから、ちょっとそっちでヘルプしてほしい」と。

普段から顔を見ている人達だからこそ、仲間意識があって当然ですね。「承知しました!」とAさんは答えてしまうかもしれません。

しかし、Aさんは良かれと思って引き受けたものの、これもれっきとした「二重派遣」になるのです。

こういった事例を聞くと、いつ自分の身に降りかかるかわかりませんよね。

その二重派遣が生まれる背景には、深刻な人手不足が原因だといわれています。併せて、派遣先の派遣社員の管理体制や派遣に対する理解が不足していることも二重派遣が生まれる原因とも言われており、知らない間に、二重派遣という構図が出来上がってしまうということです。 

二重派遣がバレた場合はどうなるの?

派遣女性

では、実際に二重派遣が発覚したら、どうなるのでしょうか?

結論から言うと、「派遣社員の私が悪いの!?」と思わなくても大丈夫です。派遣社員に罰則はありません。

罰則の対象となるのは、派遣先と派遣社員を受け入れた二重派遣先の会社です。

ただし、「なら良かった!」とホッとしてはいけません。

例えば、二重派遣先での勤務中に怪我をしてしまったとします。通常であれば、労災の対象になるかもしれませんが、問題は「二重派遣先での怪我」であることです。

派遣社員の皆さんが労災の手続きを行うには、まずは派遣会社に連絡するでしょう。そこで初めて、派遣会社は二重派遣の実態を把握します。

労災の手続きは、すんなり進みません。なぜなら、派遣先が「どこで、どんな業務をやっていて、どのように労災事故に遭ってしまったのか」を証明する必要があるからです。

派遣先が「二重派遣先で、派遣社員が怪我をしてしまいました」とは証明できないでしょう。事実を隠蔽し、結局労災手続きができなかったといったケースも多々あるということです。

このように、派遣社員の皆さんにも、何かの不測の事態に影響が出る可能性があるということを覚えておきましょう。

仮に、派遣会社が二重派遣の実態を隠蔽しようとした場合には、あなた自身を守るために、労働基準監督署に相談することをおすすめします。 

二重派遣を見極めるポイントってあるの?

ふと気付いた時には二重派遣で働かされていた、といったことにならないためにも、二重派遣を見極めるポイントを理解しておきましょう。

ポイントは主に3点だけですので、しっかり覚えておいてください。 

雇用関係がある会社はどこ?

まずは、派遣社員の皆さんの雇用主は誰なのかを、理解しておきましょう。

どうしても、派遣先で働いている期間が長くなればなるほど、派遣会社の存在感はどんどん薄くなります。自分自身が、派遣先の一員といった感覚になってしまうからです。

あくまでも、派遣社員の皆さんは、派遣会社の社員です。たまたま派遣先で働いているだけで、派遣先から給料をもらっていません。

派遣先に雇用されているように錯覚してしまうと、あなたが良かれと思って引き受けた仕事自体が二重派遣だったことに気付けなくなってしまうこともあるということですね。

少しでも疑問に思うことや不安に思うことがあれば、雇用主である派遣会社にまずは相談するといったことを頭に入れておきましょう。 

契約内容はどうなってる?

次に、あなたの契約内容はどうなっているのかを確認しましょう。

派遣社員の皆さんが派遣先で働く前に、派遣会社と派遣先の間で基本契約書を結びます。契約書には、どの就業先でどんな業務を担当するのかやその契約期間などといったことが明記されています。

つまり、その契約以外の事例があること自体がおかしいのです。

派遣社員のあなたはその契約内容に沿って働く必要があり、派遣先はその契約の中身をしっかりと理解しておく必要があるということです。 

誰が指揮命令者?

派遣会社は、派遣先が派遣契約を結ぶと同時に、派遣社員はどこの誰から指揮命令を受けるのかを必ず確認します。派遣先で働く派遣社員は、派遣先の社員からしか派遣社員に指示を出してはいけないようになっています。

つまり、派遣先以外の人から指示を受けて仕事をすることは、絶対にできないということです。もしも、派遣先以外の方から仕事の指示を受けていることがあれぼ、すぐに派遣会社に相談しましょう。

指揮命令者が別のグループ会社の社員などの場合、二重派遣に該当します。決して、派遣社員の皆さんにとって影響がないとはいえません!

悪質な二重派遣によって、派遣会社が業務停止になってしまうこともあるからです。

もちろん、業務停止になってしまうと、派遣先で働く派遣社員まで仕事を失ってしまうということですね。 

まとめ

二重派遣は派遣社員自身にとって、決して人ごとではありません。実際に、二重派遣によって被害を受ける可能性があるからです。

派遣先の二重派遣の認識不足などが原因で、派遣社員自身が振り回されることもあります。

自分自身を守るためにも、二重派遣についてしっかりと理解し、トラブルに巻き込まれてないように注意しましょう!

アロテックネクスト アロテックネクスト

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