日払いの短期派遣は法律違反?注意するポイント

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最終更新日:2019/11/29

日払いの短期の仕事が禁止」というのは聞いたことがあるでしょう。しかし、詳しく理解できている人はまだ多くないかもしれません。

日払いの短期の仕事の一部は確かに禁止されていますが、全てではありません
今回は法律違反になるのはどういう仕事かなど、注意すべきポイントをご紹介していきます。

目次[開く]

 

禁止されているのは日払いの短期”派遣”

2012年10月に施行された「労働者派遣法」の改正で、日払いの短期派遣が原則禁止になりました。
禁止になったのが雇用形態が”派遣”の仕事のみで、アルバイトなどは日払い短期の仕事でも働くことができます

「派遣法」は日本国内での働き方のひとつとして定着している「派遣労働者」の労働権利や就業条件の確保・整備のために作られた法律です。
また、2015年に施行された現派遣法では、派遣の受け入れ期間の見直しや、派遣業者をすべて許可制にするなど定期的に改正が行われています。
 

労働者派遣法改正で禁止されている短期派遣とは?

法律違反である「日雇い派遣の禁止」についてきちんと理解している人は、あまり多くないようです。
ここでは、どのようなものが禁止されているかを解説します。

法律違反になるケース

ケースA:「派遣会社に登録をしたものの、1日仕事をしただけで、その後は仕事を紹介されない」という場合

これは、例えばA社という派遣会社に登録し、登録会や研修会にも参加して1日は仕事をしたものの、それ以降仕事の紹介も何もなく「派遣切り」の状態になってしまった、という状態です。

 

ケースB:登録してから半月で3回とある程度の仕事をしていて、引き続き働く意思を持っていたにもかかわらず、派遣会社からいきなり契約を打ち切られてしまった場合

これはケースAの場合とは違い、働いている回数は問題ありませんが、現在の派遣法では「働く意思があるにもかかわらず30日未満の契約期間で打ち切る」ことが法律違反にあたります。

しかし、一度派遣の仕事をしたあと、自らの意思で派遣会社との契約を打ち切った場合や、契約期間が「31日を過ぎた場合」は、派遣会社に非はないため法律違反ではありません

 

 法律違反にならないケース

原則禁止になった「日雇い派遣」ですが、例外で働くことが認められている場合があります。
その例外は2つあります。ひとつは”業務”に関するものであり、もうひとつは”働く人”に関するものです。

”業務”については、従事する業務が以下に当てはまる場合、日雇い派遣が認められています。 

日雇い派遣が認められている業務
ソフトウエア開発  機械設計  事務用機器操作  通訳・翻訳・速記 
秘書  ファイリング  調査  財務処理  取引文書作成  
デモンストレーション  添乗  受付・案内  研究開発  
事業の実施体制の企画、立案  書籍等の制作・編集  
広告デザイン  OAインストラクション  セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

 

”働く人”については、以下の条件に当てはまる場合日雇い派遣で働くことが認められています。 

日雇い派遣で働ける人
60歳以上                 
雇用保険の適用を受けない学生
年収が500万以上で、副業として働く場合    
世帯収入が500万以上で、日雇いで働く人が「主な生計者」でない場合 

 

労働基準法で禁止されている働き方とは?

前述で、短期の日雇いバイトはこれまでどおり働けるとご説明しましたが、労働環境によっては”違反”となることがあります。ここで関係する法律は「労働基準法」です。

労働基準法は正社員だけでなく、労働者全てに関わります。この法律は、派遣社員はもちろん、アルバイトやパートなどの労働者も守ってくれます。

労働基準法で違反になる例をあげましょう。 

就業時間は1日8時間、週40時間まで

この就業時間は基本的なもので、業種によっては週44時間であり、繁忙期がある場合は月単位などで計算することが認められています。「36協定」とも呼ばれる企業と労働者との間に結ばれる労使協定がない限り、この時間を超えて労働させた場合は法律違反になります。

 

ノルマによるペナルティがある

職種によっては、労働者のモチベーションを上げるために、仕事にノルマを課す企業もあります。

このノルマ自体には法律的な問題はありませんが、ノルマを達成できなかった場合に罰金や、商品を買わせるなどのペナルティを設けるのは労働基準法違反になります。

 この他にも、休憩時間や都道府県ごとに定められた最低賃金以下の給料で働かせた場合などは、労働基準法に反します。

 

法律を違反したら労働者は罰せられる?

「労働者派遣法」と「労働基準法」は、労働者の権利の確保し守るために施行されている法律なので、たとえ違反があっても労働者側が罰則を受けることはありません。罰せられるのは企業側です。

ですから、自分の労働環境などに疑問を持ったら、まずは上司に相談しましょう。相談が難しい場合は、労働基準監督署にある相談窓口に行くのがおすすめです。

企業側の罰則としては、”業務改善命令”や”許可の取り消し””事業停止命令”などがあります。 

労働者派遣法には抜け道がある?

30日未満の契約となる短期派遣を禁止している「労働者派遣法」ですが、派遣会社は派遣先企業を数多く持っています。
例として、一度派遣の仕事を紹介されたものの、その人が仕事ができないという理由で、それ以降仕事の紹介をしなかった場合は違法になります。
しかし、仕事を紹介していれば問題ないため、条件が厳しいものを紹介して31日が過ぎたら契約を打ち切るという、”抜け道”もあるとされています。

そのため、法律で禁止はされている「日雇い派遣」ですが、抗力という意味ではあまり高くないのが現状です。

 

日雇い派遣で禁止されている業種は?

働き方が多彩になり、専門的なスキルが必要な職業を除き、さまざまな職種にアルバイトや派遣社員を用いることが多くなりました。

「日雇い派遣」が禁止されている主な仕事は、以下のとおりです。

・事務用機器操作 ・取引文書作成 ・財務処理

・受付、案内 ・秘書 ・ファイリング


※労働政策審議会での議論の結果、例外として定められました。

労働者派遣法の改正について更に知りたい方は、以下ご参照ください。


▼厚生労働省HP

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/

上記の業種に派遣社員として携わりたい場合は、長期での契約が必要です

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は派遣法の改正以降話題になることが多くなった「日雇い派遣の禁止」とは何か、派遣社員やアルバイトで受けてしまうことが多い法律違反となる事項などをご紹介しました。

働き手である労働者側には罰則がありません。働き始める前に、しっかりと採用情報などを調べて、自分が不利になるような職場は避け、働き始めてから不利な状態になったら、証拠を集めて労働基準監督署などへ相談しましょう

労働者の権利を使わず泣き寝入りするケースも少なくありませんが、おかしいと思ったら声をあげ、相談することは大切ですよ。

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