最終更新日:2019/11/29
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様々な法律に基づいたルールによって、社会は成り立っていますよね?
派遣という働き方も、社会と同様に様々なルールがあるからこそ、派遣社員として優劣なく働くことができているわけですね。
基本的に有期雇用契約(期間の定めがある契約)が大半を占めている派遣社員にとって、切っても切り離せないものがあります。
それが『抵触日』といわれるものです!
「抵触日って何?」って思われた方もたくさんいますよね??なんとなく難しそうなイメージをもってしまいがちですが、決してそうではありません。ポイントさえ押さえていれば、簡単に『抵触日』を理解することができます!
今回はそんな抵触日について、わかりやすく解説したいと思います。
目次[開く]
「そもそも抵触日って何?」って感じですよね?
一体何が抵触(法律や規則にふれること)するのかわからないかと思います。
抵触日とは『派遣社員として働くことのできる期間を過ぎた最初の日』のことを意味します。
「ん?どういうこと??」と思った方もたくさんいるはずです。
実は派遣って、最長3年間までしか働くことができないといったルールがあるんです!つまり、3年が経過した最初の1日が抵触日になるというわけですね。
少し補足しますと、この3年ルールは、2015年9月30日に派遣法の改正によって、全ての派遣社員が対象とされ、派遣会社や派遣社員、派遣先を含めて大きな影響を与えました。
この抵触日にまつわる3年ルールは、2種類あるので、順に説明していきますね。
派遣社員の皆さんは、派遣元(派遣会社)に雇用され、派遣先(就業先)で働きます。
この派遣先の同一組織で働くことのできる期間は、最長3年間となります。
もう少し具体的に説明すると、派遣先Aの経理課で派遣社員Bさんが働くことが決まったとします。
派遣社員Bさんは、経理課で派遣社員として何10年も働き続けることはできません。派遣社員Bさんは、最長でも3年間しか働けないということですね。
ただし、派遣社員Bさんが部署移動によって、派遣先Aの人事課に配属されることになった場合、人事課で3年間働くことができるようになります。
抵触日がリセットされるといったイメージです。
経理課と人事課って組織が違いますよね?あくまでも、派遣先の同一組織という括りで3年間ということを覚えおきましょう。
前章で説明した派遣社員個人単位の3年ルール以外に、もう一つルールがあります。
それは、派遣先事業所単位で派遣社員は3年間しか働けないというものです。事業所単位ですから、同一組織なんか関係ありません。
派遣先A自体が事業所となるわけですね。
「じゃあ個人単位とどう違うの?」と疑問を持った方もいるはずです。経理課だろうが人事課だろうが、関係ないように思ってしまいます。
派遣先Aで働いている派遣社員全員が3年ルールの対象となってしまうため、部署異動をしたとしても抵触日を逃れることもできません。
ただし、事業所単位の3年ルールには、逃げ道がありますので、安心してくださいね。派遣先企業も、事業所単位で3年ルールが適応されると仕事になりません。
3年を超えて延長できる仕組みがあるんです。それは、派遣先の過半数労働組合もしくは過半数代表者に対して、抵触日の1ヶ月前までに意見聴取することで延長が可能となります。
「何の意見を聴取するの?」と思った方もいるかと思います。
答えは「派遣社員を我が社でこれからも働いてもらっていいよね?」と質問し、「はい、いなくては困りますし、当然働いてもらいましょう」という流れです。これが意見聴取といわれるものです。
延長回数に制限はないので、安心してくださいね。
全ての派遣社員に抵触日にまつわる3年ルールが存在するとお伝えしましたが、実は例外もあります。
3年ルールの例外は本当に一部の派遣社員だけが該当しますので、あくまでも参考程度に思っていてくださいね。
上記のようなケースで働く派遣社員には、3年ルールが適用されません。ほとんどの派遣社員にはあまり縁がないかと思いますので、あくまでも参考程度と思っていてください。
「派遣社員だけが何で抵触日を気にして働かないといけないの?」と思っている方がほとんどではないでしょうか。
一見不公平に感じてしまいますが、派遣社員をいじめているわけでは決してありません。
抵触日に左右されることはありますが、国の施策としては、抵触日に関する3年ルールは『派遣社員を守るために作られたルール』だからです。
「えっ!?どういうこと??」とどうしても思ってしまいますよね。
シンプルに説明すると、「3年も派遣で働いたんだから、派遣先はできるだけ直接雇用してくださいね。もし、直接雇用ができないなら、3年以上引っ張ろうなんて考えては駄目ですよ。」といった意味があるんです。
もちろん、国はこんな簡単な言い方をしていませんが、わかりやすく言うとこんなイメージなんですね。
では、具体的に抵触日に直面した派遣社員の実態について、理解しておきましょう。
派遣社員でずーと更新できる仕組みなら、こんな抵触日なんか設ける必要はないですよね?
安定した雇用を促進するためにできた抵触日が、逆に邪魔をしているように感じてしまいますが、悪いイメージばかりでは決してありません!
例えば、3年経過した時点で、派遣先に直接雇用されるケースが増えたことは事実です。3年ルールが無ければ、直接雇用する必要性もありませんからね。
だって、派遣先からしてみれば、いざとなったら契約解除できるユーティリティ社員に過ぎないからです。
「じゃあ抵触日を迎えたらどうればいいの?」となってしまいますよね。
答えは2択しかありません!「派遣先に直接雇用してもらう交渉をする」か「別の派遣先を紹介してもらう」かのどちからです。
もちろん、簡単に派遣先が直接雇用してくれるとは限りません。ただし、派遣先で数年も働けたということは、派遣先からの高い評価の表れです。
派遣先にとって、あなたが必要な存在であることを証明できれば、派遣先からしてみると、簡単に派遣社員を変えば済む話ではありませんよね?
つまり、日頃からひたむきに働く姿勢と派遣先との信頼関係が大切になってくるということです!「どーせ、3年経ったら辞めることになるし…」といった気持ちで働いている方とは比べ物にならないほど、貴重な存在となっている可能性があるわけですね。
仮に、縁がなく派遣先での直接雇用が見込めない場合でも、派遣元はあなたを評価し、次の派遣先を精一杯探してくれます。当然、派遣先と派遣元の評価が低ければ、仕事が見つかりにくくなってしまうというわけです。
どんな雇用形態であっても、日頃から一生懸命働く姿勢を常にもっておきましょう。
派遣先内で、部署異動を繰り返していれば、3年以上働くことは可能です。あまり現実的ではありませんが。。。
そこまでして、派遣先にしがみつく必要はないかと思います。もちろん、3年ルールの例外などもありますから一概には言えませんが、おもいきって新しい職場を探してみましょう。
いくら部署異動をしていても、派遣先の業績が悪くなってしまうと、まっさきに契約解除になる可能性が高いからです。
「部署異動したし、あと3年は働ける!」といった安易な気持ちになってはいけません。部署異動した翌月に、派遣先からの契約更新の申し出が無かったといったことも考えられるからです。
派遣契約とは、あくまでも双方(派遣社員と派遣先)の合意があって、初めて契約更新される仕組みなわけですから。
結論からお伝えすると、派遣先を変え続けていれば3年ルールを気にする必要はありません。
「それだったら、派遣先がちょっと嫌になったらすぐ辞めて、次の派遣先を紹介してもらえばいいんだね。」とは決して思わないでください。
そんな簡単に、次の派遣先が見つかる保証はどこにもないからです!仮にすぐに次の派遣先が見つかったとしても、後々後悔することになるかと思います。
理由は簡単です!派遣という働き方を甘く見ているからです。そんな方はどこの派遣先でも上手くいきません。
派遣先で働けなくなり、すんなり次の派遣先が見つかる方は、派遣元から信頼されている証拠でもあり、「この人に任しておけば安心!」といった高い評価があるからです。
派遣先を変えても、別の派遣先で働き続けることのできる派遣社員になること、つまり派遣元との信頼関係が必要となるということですね。
抵触日については、派遣社員や派遣先を含めて、賛否評論があるのは事実です。いずれにしろ、抵触日に関する3年ルールはひっついてきますので、うまく付き合っていくしかありません。
抵触日を生かすも殺すも、結局は派遣社員あなた自身となるということです。
どうせ同じ立場で働くなら、抵触日や3年ルールとうまく付き合い、後悔のない派遣ライフを送ることを期待したいと思います。
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