登録の前に読む人材派遣の基礎知識

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最終更新日:2020/05/07

現在の日本社会において人材派遣は、即戦&労働力がある人材を、必要なポジションおよび時期にだけ働いてもらえるなど、雇う企業側に多くのメリットがあります。

また、派遣社員側も、条件やスキルに合わせた形で働けるので、近年人気のある働き方になっています。

本記事では、派遣の基礎知識についてまとめましたので、詳しくご説明します。

定義

労働者派遣法で人材派遣は「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする」(参考:労働者派遣法より抜粋)と定義されています。

簡単に言うと、 “派遣会社が雇用する労働者が、派遣先の業務を派遣先の指揮命令のもとで働くこと”です。

仕組み

正社員や直接雇用アルバイトなどと派遣社員の大きな違いは、「雇用契約を結ぶ会社」と「実働する会社」が異なるということです。

正社員などの“直接雇用”の場合は、雇う側と雇われる側との間で雇用契約を結んで労働関係が成り立ち、給与も雇用主から直接支払われます。でも、派遣社員の場合は派遣会社と派遣先の2つの会社が関わってきます。

 

ここがポイント
  • 派遣会社と派遣社員は「雇用契約」で結ばれており、給与は派遣会社から支払われる。
  • 派遣会社と派遣先企業は「人材派遣契約」で結ばれている。派遣先企業は人材派遣を受けたうえで、派遣会社に派遣料金を支払う。
  • 派遣先企業は、派遣社員に対して業務上の指揮・命令権を持つ。

 

種類

派遣の働き方は大きく3つに分かれます。それぞれの違いを知っておきましょう。

一般労働派遣(登録型派遣)
代表的なものは「一般労働派遣」です。希望者が派遣会社に登録して、希望や条件に合った派遣先企業が見つかったときに雇用契約を結びます。
派遣会社にとっては仕事が発生するときだけ雇用契約を結べばいいので、必要ないときは契約を結ばなくて済みます。

一方、派遣社員は雇用契約がないときは労働できないため、無給となるリスクがあります。ですから、複数社の派遣会社に登録をするのが望ましいでしょう。
特定労働者派遣(常用型派遣)
仕事が発生するときだけ雇用契約を結ぶ一般労働派遣に対して、特定労働者派遣は正社員と同じように派遣社員が派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶ働き方です。

一般労働派遣に比べて長期の業務が中心で、システムエンジニア・設計・化学関係など、スキルを持たないとできない仕事が多く占めます。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先に直接雇用をされることが前提になる働き方です。
一定期間(最長6か月、平均3か月) 派遣社員として就業し、期間終了後に企業と本人が合意した場合は直接雇用に切り替わるシステムです。

紹介予定派遣のメリットは “見極められる” ことです。企業側は、その派遣社員の人柄・スキル・労働力が、求めている人物像にマッチングしているかを詳しく確認することができます。一方の派遣社員側は、仕事内容や職場の雰囲気、人間関係などに問題はないかを見極められます。

お互いに面接だけでは判断しづらい部分など、期間をとおしてじっくり見ることができるので、採用のミスマッチが減り、安定した雇用を築くことができます。

 

違法となる人材派遣

日雇い派遣
日雇い派遣は1日単位の仕事にスタッフを派遣する仕組みです。
働く期間が極端に短いと派遣スタッフが安定した生活が送れないため、雇用期間が30日以内の業務については禁止されています(2012年10月施行)。中には一般労働派遣との違いがわかりづらい案件もあるので、気を付けましょう。

ただし、60歳以上であったり年収500万以上であったりする場合は副業として働けるなど、例外もあります。
二重派遣(多重派遣)
二重派遣とは、派遣先の会社に派遣されたスタッフを派遣先ではない別の会社で働かせることです。二重派遣が行われると、派遣社員に対する責任の所在が不明確になるなどの問題があり、法で認められていません。
専ら派遣
専ら派遣とは、特定の企業やそのグループ会社に限定して行われる派遣を指します。例えば、企業が子会社やグループ会社として派遣会社を運営し、直接雇用を控えて子会社からの派遣スタッフを積極的に採用して人材を確保することです。

そうなると、本来直接雇用される人材が派遣社員で全てまかなわれるようになり、直接雇用の機会を失うなど雇用の安定にはつながらなくなるため、禁止されています。

ただし、特定の企業グループ会社への派遣の割合が80%以下であれば、規制の対象になりません。

 

いかがでしたか?

現在派遣社員として働いている人も、これから派遣社員として働きたい人も、今一度人材派遣についての基礎知識を知っておくのがよいでしょう。
自分の働き方を把握し、今回ご説明した基礎知識を生かして、仕事をしていくうえで役立ててください。

アロテックネクスト アロテックネクスト

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