最終更新日:2020/05/07
最終更新日:2020/05/07
この記事を読んでいるということは、
「新型コロナウイルスによって派遣社員は影響を受けているの?」
「派遣元も派遣社員を解雇することができるの?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、新型コロナウイルスによって派遣社員がどのような影響を受けているのかについて解説していきます。
具体的には、
の順番で紹介していきます。
この記事を読めば、派遣社員が新型コロナウイルスによって受けた影響や派遣社員が失業した時に派遣元が講じるべき措置についてわかるようになるでしょう。
目次[開く]
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、サービス業を中心に経済も大きな打撃を受けています。
そして、サービス業はあらゆる業種の中でも非正規雇用者の割合が大きい業種でもあります。
こういった場合に影響を受けるのが「正社員」よりも先に「非正規雇用者」という状況はなかなか変わりません。
つまり、派遣社員も派遣切りやシフトが減るなど多くの方が影響を受けています。
また、政府の大号令で始まったテレワークも派遣社員の働き方に影響を及ぼしています。
人材サービス大手のディップが3月31日~4月3日に実施したアンケートによると、新型コロナウイルスの感染拡大によって失業や就業時間の減少を経験した派遣社員が多くいることがわかりました。
アンケートによると、失業を経験した方は16%、休業することになった、就業時間や日数が減ったと回答した方が36%となっています。
このように、多くの派遣社員の方が収入に直結する影響を受けています。
このアンケート実施後に政府は「緊急事態宣言」を発令しています。
これからさらに影響を受ける派遣社員が出てくることも十分に考えられます。
(参照:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58038980U0A410C2000000/)
新型コロナウイルスの影響によりテレワークの導入を進める企業もあります。
しかし、テレワークの導入でも正社員と派遣社員には差があります。
勤務先のテレワークと在宅勤務の導入割合は正社員が32%に対して、派遣社員は20%です。
では、テレワークに移行できなかった派遣社員は、「自宅待機を無給で命じられた」という声が多く出てきています。
派遣元に相談してみましょう。
また、休業ではなく「テレワークをするように」と派遣先から命じられて、困惑する派遣社員も多くいます。
「派遣社員の自分がテレワークをできるのか」というもので、派遣元に相談が相次いでいます。
しかし、その不安はある意味当たっており、派遣社員は簡単にはテレワークに移行できない事情があります。
それは、テレワークを前提としないで雇用されている派遣社員が多いためです。
リクルートスタッフィングによると、
そして、問題ないと判断されて初めてテレワークができるようになります。
上司の許可があればテレワークに移行できる正社員と違い、派遣社員の場合にはテレワークに移行するにも煩雑な手続きが必要となります。
(参照:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58038980U0A410C2000000/)
(参照:日経doors https://doors.nikkei.com/atcl/column/19/030900164/031000002/?P=2)
新型コロナウイルスの感染拡大により職を失った派遣社員が多くいるということは前述の通りです。
日本の企業の多くは3月や9月を決算期末としている企業が多く、3月末は通年でも派遣社員の解雇による相談が多い月です。
そういった企業事情に加えて新型コロナウイルスの影響により、派遣社員の契約を延長しない、契約途中に関わらず解除するといった事案が起こっています。
しかし、派遣先から契約解除を告げられたからといって、派遣元と派遣社員の労働契約がなくなるわけではありません。
この両者の労働契約がある以上は、派遣元は派遣社員を安易に解雇することはできません。
派遣社員が派遣先より契約解除をされた場合には、派遣元は以下のような措置を講じる必要があります。
このような措置を講じても就業に至らなかった場合には、休業等を行い雇用の維持を図らなければなりません。
前述したように、派遣先が契約を中途解約したとしても、派遣元は派遣社員を安易に解雇することはできません。
派遣元と派遣社員の間には雇用期間満了まで労働契約が存続するので、新たな就業先が見つからないとしても派遣元は給与を支払う必要があります。
また、派遣社員を休業とする場合には、派遣元は休業手当を支払う必要があります。
休業手当は、「事由の発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額÷期間の総日数(暦日数)」を平均賃金として、その60%以上を支払わなければなりません。
派遣社員をやむを得ず解雇する場合には、少なくとも30日前までに予告する必要があります。
予告を行わない場合には、解雇までの日数に応じて解雇予告手当てを支払う必要があります。
また、有期労働契約の雇い止めについても基準が定められています。
以下の条件を満たしている場合において有機労働契約の雇い止めを行う場合には、少なくとも30日前までに予告する必要があります。
やむを得ず解雇知る場合には派遣社員に事前に予告し、次の就業機会を得るための時間を設けなければなりません。
この記事をまとめると以下の通りです。
新型コロナウイルスの影響は広く経済に及んでいます。
そして、派遣社員はその影響をまともに受けてしまいます。
記事中にもあったように、実際に職を失ってしまったという方も多くいます。
派遣社員はこういった経済が落ち込んだ時に影響を受けやすいために、労働者派遣法である程度守られています。
しかし、正社員と比べて弱い立場にあることに変わりはありません。
もしも新型コロナウイルスの影響を受けて失業やシフトの減少となってしまったら、まずは派遣元に相談するようにしましょう。
また、派遣元からも解雇されてしまったら各自治体の労働局や労働基準監督署に相談してみましょう。
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