派遣社員は健康診断を受けれる?受けたくないときは拒否れる?時給は発生するの?

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最終更新日:2020/05/07

この記事を読んでいるということは、

「派遣社員は健康診断を受けることができるの?」

「健康診断を拒否ることはできる?」

「健康診断は誰が負担するの?」

 という疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか?

会社は雇用する社員に対して毎年健康診断を受けさせなければなりません。

これは法律で決められており、健康診断を受けさせなければ罰則を受けることになります。

そこでこの記事では、派遣社員でも健康診断を受けることができるのかについて解説していきます。

また、健康診断を受けられる場合にその費用はどこが払うのか、さらにその時に時給は発生するのかなどについても細かく解説していきます。 

具体的には、

  • 派遣社員は健康診断を受けられるのか
  • 健康診断は義務なのか
  • 健康診断は誰が負担するのか
  • 健康診断当日は時給が発生するのか

の順番にご紹介していきます。

この記事を読み終えた頃には、派遣社員の健康診断事情について把握できるはずです。

もし、あなたが健康診断を受けたいのであれば、この記事が役に立つことは間違いないでしょう。

【目次】[開く]

1.派遣社員は健康診断を受けられる?

結論から言えば、派遣社員も健康診断を受けることができます。

これは労働者派遣法で定められている権利であり、健康診断を受けさせない派遣会社は罰せられることになります。

しかし、派遣社員として働いていれば誰でも健康診断を受けられるわけではありません

健康診断を受けることができない派遣社員はどのような人か、健康診断を受けるまでの流れについて解説していきます。

また、各派遣会社の健康診断の実施条件についても解説していきます。 

健康診断受けさせないと罰則なのに、受けられない場合もあるんですか…!
どのような決まりごとになっているか確認していきましょう。

1-1.派遣社員の健康診断は法律で決められている

前述したように、派遣社員が健康診断を受けることができるというのは法律で定められています。

以下は厚生労働省の「派遣元が実施すべき事項」から抜粋したものです。

「派遣元は、派遣労働者に対し、雇入時及び1年以内ごとに1回、定期に健康診断を行うこと。

また、深夜業に従事する者などに対しては、配置換えの際及び6カ月以内ごとに1回定期に健康診断を行うこと。」

(参照:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/091130-1f.pdf

つまり派遣会社は派遣社員に対して健康診断を受けさせなければならないということです。

ここでいう健康診断とは「一般健康診断」のことを指します。

ここでは一般健康診断についての詳細は解説しませんが、主に身長や体重、視力、聴力、血液検査などです。

 

▼まだ就業を開始していなければ受診できない

派遣社員の健康診断は法律で認められた権利ですが、派遣登録をしただけでまだ就業をしてない場合には受けることはできません

登録をしただけであればまだ雇用契約を結んだとみなされないからです。

健康診断を受けたいと思うのであれば、まずは派遣先を探して就業しましょう。

また、就業時間や就業期間など派遣会社によって規定があります。

健康診断を受けられる基準は各派遣会社によって多少違いますが、フルタイムで働いていれば問題なく受けることができるでしょう。 

派遣労働者と定められているので、働いていないと該当しない、ということです。

1-2.健康診断を受けるまでの流れ

登録している派遣会社によって多少の違いはありますが、健康診断を受けるまでの流れは以下のようになります。

  • 派遣会社から健康診断の案内が届く
  • 受診するコースを選ぶ
  • 受診する病院を決めて予約する
①から順に説明していきます。

①派遣会社から健康診断の案内が届く

まず、派遣会社から健康診断の案内が届くので中身を確認しましょう。

健康診断についての実施要項があるのでよく読み、健康診断の申し込みをします。

ここで注意したいのが、ごく稀に受診資格がないにもかかわらず健康診断の案内が届いてしまうことがあります。

その場合は派遣会社に連絡し確認しましょう。

確認せずに受診すると、健康診断の費用が全額自己負担になってしまう場合があります。

 

②受診するコースを選ぶ

次にいくつかコースがある場合には受診するコースを選びます。

受診料金はコースによって違うので、自己負担金が発生するものもあります

自己負担をしたくない場合には一番基本的なコースを選択するようにしましょう。

自己負担金については案内に記載されています。

③受診する病院を決めて予約する

受診するコースが選んだら最後に受診できる病院を選びましょう。

基本的には病院までの交通費は出ないので自宅から近い場所を選ぶようにします。

予約状況によって予約できる日が限られることもあるので、仕事の日とかぶらないようにしましょう。

1-3.各派遣会社の健康診断情報は?

各派遣会社の健康診断の実施状況を確認していきます。

ここでは、以下の派遣会社について解説していきます。

  • スタッフサービス
  • テンプスタッフ
  • リクルートスタッフィング 
  • アデコ
  • ランスタッド

各派遣会社の健康診断についてみていきましょう。

詳細についてはそれぞれの会社の資料で確認してください。

▼スタッフサービス

受診対象 就業中で一定の基準を満たしている人
実施頻度 1年に1回(春期または秋季)
検診機関 スタッフサービスの指定医療機関
費用 法定健診、一般健診、深夜業健診については無料
その他については自己負担額あり

 

▼テンプスタッフ

受診対象 以下の条件を満たす者
  • 10月~3月の間に通常労働者の所定労働日数の4分の3以上勤務実績がある
  • 1週間の所定労働時間が通常労働者の4分の3以上の雇用実績がある
実施頻度 1年に1回
健診機関 テンプスタッフの指定医療機関
費用 基本検診については無料

 

▼リクルートスタッフィング 

受診対象 一定の基準を満たした者
実施頻度 1年に1回(春期または秋季)
健診機関 リクルートスタッフィング の指定医療機関
費用 無料(一部有料オプションあり)

 

▼アデコ

受診対象 以下の条件を満たす者
  • 健康診断の受診時に雇用契約があり、社会保険に加入している
  • 週の所定労働時間が30時間以上
実施頻度 1年に1回(特定の業務に就いている人は年に2回)
健診機関 全国主要都市にあるアデコ指定医療機関
費用 基本健診Bの受診料は無料

 

▼ランスタッド

受診対象 就業中で一定の条件を満たす人
実施期間 1年に1回
健診機関 ランスタッドが加入している健康保険組合の提携健診機関
費用 無料(一部有料オプションあり)

 

2.派遣社員の健康診断は義務?拒否ることはできる?

注射が怖い、仕事があり健康診断に行く暇が無いなど様々な理由で健康診断を受けたくない人もいるでしょう。

では、派遣社員は健康診断の受診を拒否することはできるのでしょうか。

労働安全衛生法に以下のような記載があります。

「労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。

ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書 面を事業者に提出したときは、この限りでない。」

(参照元:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0119-4h.pdf

このように、「健康診断を受けなければならない」という記載があります。

派遣会社は派遣社員に対して健康診断を受けさせる義務があり、派遣社員は健康診断を受けることを義務付けられています

派遣会社は受けさせなければならないので、どういった理由であれ、それを拒否する派遣社員に対しては最悪の場合契約解除もあり得ます。

よって、どういった理由があろうと健康診断は受けるべきです。

そもそも健康診断は自分のために行うものです。

定期的に健康診断を受けていれば見つかったはずの病気が受診を拒否したことによって見つけられないこともあります。

しっかりと仕事をしたいのであれば健康にも意識を向け、健康診断を受けるというのは当然のことです。 

体調管理もお仕事のうち、ってことですかね!
面倒に感じるかもしれませんが、毎年の習慣にしてしまいましょう!

3.派遣の健康診断の費用は派遣元が負担

派遣社員の健康診断の費用は、基本的には派遣会社の負担となります。

「基本的には」としたのは、そのことを法律として明記されているわけではないからです。

しかし、労働省通達「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(昭和47年9月18日期発第602号)では、

「健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものである」

と明記されています。

(参照元:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2043&dataType=1&pageNo=1

よって、多くの派遣会社では法律で定められている健康診断については費用を負担しています。

3-1.自己負担額が発生する場合も

派遣社員であっても例外ではなく、基本的には派遣会社によって健康診断の費用は負担されます。

しかし、自己負担額が発生する場合もあります。

それは以下のような場合です。

  • 派遣会社の費用補助が受診料を超える場合
  • 法定健診に追加の健診を行う場合

派遣会社によっては法律で定める一般的な健康診断を受ける場合であっても、全額負担ではなく「上限○○円まで負担」としている場合があります。

健康診断の費用負担について法律で明記されてない以上、そういった場合があるのも致し方ありません。

そして、この上限額を超える場合に自己負担が発生します。

多くの派遣会社では法定検診については無料の場合が多いですが、費用負担上限にしている派遣会社もあります。 

無料の派遣会社が良いです…
1-3項の表に記載されているので確認してください!

また、法定健診については無料ですが、追加で健診を受ける場合には自己負担が発生します。

例えば「がん検査」などがそれに当たります(一部年齢を除きます)。

女性の子宮頸がん検査や乳がん検査もオプションとなり自己負担額が発生する場合がほとんどです。

自己負担額を発生させたくない場合には、派遣会社が指定する無料で受けられる健康診断だけを受けるようにしましょう。

4.健康診断当日は時給が発生するの?

健康診断を受けている間の時給がどうなるのかは派遣社員として働いている誰もが気になるところではないでしょうか。

労働省通達「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(昭和47年9月18日期発第602号)では、

「健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払いについては、(中略)当然には事業者が負担すべきものではなく」

とされています。

しかし、

「労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可決な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと」

とも記されており、微妙な問題です。

(参照元:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2043&dataType=1&pageNo=1

当然負担すべきではないが、賃金を事業者が支払うことが望ましいとされればあとは派遣会社個々の判断ということになります。

そして、多くの場合において健康診断中の時給は発生しません

これは健康診断が労働としてみなされない、健康診断の時間が曖昧で管理ができないなどの理由によります。

また、健康診断を受ける病院までの交通費も自己負担としている派遣会社が多いです。

しかし、有給休暇を取ることでその日1日の給料を受け取って健康診断に行くことはできます。

健康診断のために有給休暇は派遣先に言いづらいという人もいるかもしれませんが、健康診断は義務、有給休暇は権利なので堂々と申請しましょう

また、前述したように、交通費が少なくて済むようなるべく自宅から近い病院で受診するようにしましょう。 

忙しい場合でも、仕事の調整をお願いして受けてくださいね!

まとめ|派遣社員は健康診断を受けることができます。

派遣社員でも所属する派遣会社の規定を満たしていれば健康診断を受けることができます。

これは事業主が法律で義務付けられていることであり、多くの場合費用負担なしで派遣社員は健康診断を受けることができます

しかし、費用負担が発生する場合もあります。

費用負担に関しては自分が所属する派遣会社に健康診断について問い合わせてみましょう。

また、基本的には健康診断中の時給は発生しません。

有給休暇を利用するなどして賢く受診しましょう。

この記事をまとめると以下の通りです。
 まとめ
  • 派遣社員は健康診断を受けることができる
  • 派遣の健康診断の費用は派遣元が負担する
  • 健康診断は時給が発生しない

中には健康診断を受けたくない人もいるでしょう。

しかし、受けるよう指示があったにもかかわらず受けなければ最悪の場合契約を解除されることもあります。

これからもしっかり働くためにも、健康診断は毎年受診するようにしましょう。 

健康管理をしっかりして、仕事もプライベートも充実させるのじゃ。
アロテックネクスト アロテックネクスト

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