最終更新日:2019/11/29
最終更新日:2019/11/29
2018年時点で、日本国内の派遣社員数は約136万人です。今や派遣社員は、労働環境に欠かせない存在です。
派遣社員として働くメリットは複数あります。
・時間に融通が利く
・パートやアルバイトよりスキルを生かして働くことができ、時給も高い
・派遣先企業との交渉は、派遣会社に任せられる
などです。
では、デメリットはあるのでしょうか?
今回は派遣で働くデメリットについて、実際に働いている人の口コミなども交えながらご紹介しましょう。
派遣の働き方は社会に浸透しています。 |
デメリットのことはあまり考えていなかったので、知りたいです! |
目次
皆さんは派遣の求人で「長期的なお仕事です」や「長期的なスパンで働けます」などのコメントを見かけたことはありませんか?
しかし、そもそも”長期”とはどのくらいの期間なのか、ご存知でしょうか?
長期というのは、実は”あいまい”です。
個人の解釈により全然違うため、1年という方もいれば、3年という方もいます。1日や1週間といった短期派遣を中心に働いている人の中には、3か月=長期と考える人もいます。
ですので、「長期」という言葉はあいまいなのです。
派遣会社からも「長期的なお仕事です」と紹介されても、働き始めてから「残念ながら1か月で契約満了です」と伝えられることもあります。
でも、実は法律上では、派遣先で働く期間は初めから決まっているのです。
同じ派遣先で働くことができる期間は、「最長3年」です。
「では、3年は働けるのか」と思うかもしれませんが、実は少し注意しなければなりません。
派遣先では、3年を超えて派遣社員を働かせてはいけないと法律で決まっているのです。
これは「派遣の3年ルール」と呼ばれていますが、実はこのルールには2種類の制限があります。
ひとつは「派遣労働者個人単位の期間制限」です(こちらは比較的よく知られているルールでしょう)。
派遣スタッフは同じ派遣先企業に3年以上勤めることはできません。
例えると、派遣社員Aさんは派遣先企業のB社に3年以上働けないということです。
そしてもうひとつが「派遣先事業所単位の期間制限」です。実はこちらが、意外と知られていないルールなのです。
派遣先企業は3年を超えて派遣社員を受け入れることは、原則できないのです。
具体例をあげましょう。派遣先企業のA社で、派遣社員Aさんが2年働きました。そしてAさんが辞めることになり、新しく派遣社員Bさんが働くことになりました。では、Bさんは何年働くことができると思いますか?
答えは、「1年」です。
ただし「派遣先事業所単位の期間制限」は、派遣先の過半数労働組合が許可した場合のみ、延長することが可能になります。
上記の例で言うと、派遣社員Bさんが派遣会社から「長期的なお仕事です」と紹介され、3年間は働けると考えていたら、場合によってはトラブルになる可能性もあるでしょう。
このように、「長期」はいったいどの程度なのかということを、契約時に把握しておくほうがよいのです。
「長期」というあいまいなフレーズが、派遣社員を混乱させることもあるんですね。 |
最長3年しか働けないって知りませんでした!事前に確認する必要がありますね。 |
派遣社員の一般的な契約期間は”3か月”です。これはなぜでしょうか?
答えは、3か月にしておけば、派遣先企業が業績悪化になってもすぐに人員削減できるからです。
そのため「3か月更新を繰り返せば長く働ける」と考えていても、会社都合で打ち切られる可能性は高いのが現実です。
派遣先が業績悪化し、人件整理をしなければならないとき、最初に対象となるのは派遣社員です。直接雇用の正社員・契約社員・パートなどはなるべく影響を与えず、自社スタッフではない派遣社員の契約を終了することで解決を図ります。
一方で、この期間限定は派遣社員にとってもメリットになることがあります。
自己都合で辞めやすいからです。「3か月ガマンすれば辞められる」と思えば、乗り切れるでしょう。
私が辞めたいときは辞めやすいし、お互い様なんですね。 |
その通りです。派遣社員には契約を切られる可能性が高い代わりに、自分の都合で辞めやすいという利点もあるんですね。 |
派遣社員の雇用主は派遣会社です。
給料は派遣先企業からではなく、派遣会社から出ています。
しかし、派遣先企業での就業に慣れ、職場に溶け込んで仲のよいスタッフもできてくると、どうしても「自分は他社の従業員」という事実を感じることが増えてきます。
例えば、ボーナス時期に自分は対象外であったり、社員だけのイベントに参加できなかったり…。社員だけの話題や待遇に、格差や疎外感を感じるかもしれません。
あくまでも派遣社員の雇用主は派遣会社なんじゃ。 |
自分に合った良い派遣先ほど、格差や憧れを感じそうです…。 |
派遣社員の時給を決めているのは、派遣先企業ではありません。派遣会社です。
そのため、同じ派遣先企業でも、複数の派遣会社からスタッフが派遣されている場合は、派遣会社によって時給が異なります。
例えば、派遣先企業のA社に、派遣会社B社と同じくC社からそれぞれ派遣社員が来ている場合は、B社スタッフの時給が1300円、C社スタッフの時給は1350円ということがあります。たとえ仕事内容は同じでも、時給が異なるのです。
なぜでしょう?それは、各派遣会社によって時給の算出方法が違うためです。
派遣先ではなく、派遣会社によって時給は変わることを知っておけば、派遣会社選びが大事ということがわかりますよね。
時給を決めるのは派遣会社です。 |
ほとんどの派遣先企業では「時給は上がりにくい」と考えておくのがよいでしょう。派遣社員に限らず、正社員や契約社員、アルバイトなどでも、昇給は難しいものです。
ただし、派遣社員には強い味方がいます。それは、派遣会社の営業担当です。
派遣社員の時給が上がるケースのほとんどは、派遣会社の営業担当が派遣先企業に時給交渉をした結果です。
もちろん、派遣先の業績などで必ずしも時給アップするとは限りませんが、あなたの仕事ぶりや日々の姿勢によって、時給交渉はしやすくなります。
派遣会社が派遣先に時給交渉をしやすい環境を作るのは、派遣社員のあなた自身なのです。
時給が上がると嬉しいですね。それだけ評価されているという証拠ですから! |
派遣会社の営業担当は派遣社員の強い味方です。 |
派遣社員には、交通費が支給されないケースがほとんどです。
派遣会社から「時給は、交通費込みの○○○円です」と派遣求人を紹介されたことはありませんか? 派遣求人に掲載されている時給は、単なる時給ではなく、”交通費込みの時給”なのです。
自宅から通える範囲はもちろんですが、交通費が自己負担であることを頭に入れて、派遣先を選ぶことが大切です。
ただし、中には「交通費別途支給」という求人もまれにありますので、そういった案件を見つけ出した際は、交通費以外の条件をきちんと確認してみましょう。
交通費が出ない分、アルバイトやパートよりも時給が高いとも解釈できますね。 |
交通費が出ないなら、通勤範囲を広げすぎると支出が多くなります。 |
基本的に派遣社員にはボーナスは出ません。それは、ボーナスの支給は義務ではないからです。残念ながら、派遣会社が派遣社員にボーナスを支給することは皆無に等しいでしょう。
しかし、ボーナスをもらえる派遣社員も実在します。それは、派遣先企業から派遣社員に対してボーナスが支給されるケースがあるからです。
とはいえ、それはあくまでも派遣先企業の業績や、企業と派遣社員との関係性がよかった場合のレアケース。基本はボーナスがもらえない、と認識しておきましょう。
やっぱりボーナスは出ないんですね。その分、時給がアップするように頑張ります! |
ボーナス支給がないのは仕方がないと切り換えることが必要じゃ。 |
メーカー・商社・アパレル・金融・ITなど、派遣案件の業界は多岐にわたります。その中から、希望業界だけを絞って派遣求人を探すことはおすすめできません。
その業界一筋で精通した経験者なら別ですが、業界未経験ながらも憧れだけではその業界を目指すのは難しいでしょう。理由は、派遣求人の大半は即戦力を求め、”業界経験者”を優遇するからです。
ただし、派遣会社が派遣先企業に紹介する派遣社員を選ぶときは、いくらスキルが高くても、仕事に対する価値観や後ろ向きな人は選びません。その場しのぎで、経験値だけをみて派遣社員を選ぶと、後に派遣先企業でトラブルになりかねないからです。
業界経験者が優遇されることは間違いありませんが、それ以上にあなたのやる気や実力が大切なのです。
例えば、「同業界の営業事務経験はありませんが、他業界での営業事務経験があります。簿記2級の資格保有者で、タイピングテストでも好成績をおさめており、前向きに働ける派遣社員です」と、派遣会社があなたを押してくれることもあるからです。
希望業界を絞り込んでしまうと、派遣会社からの派遣求人の紹介そのものが少なくなってしまいますので、注意してくださいね。 |
業界と同じく、職種も多様にあります。例えば、事務ひとつとっても、一般事務・営業事務・経理事務など複数あります。
これも前述の業界の話と同じですが、希望職種だけを絞って仕事を探すのは避けた方がよいでしょう。職種を絞ることは、可能性を狭めることもあるからです。
希望職種の経験がない人は、その職種だけでなく、他の職種まで広げて求人を探しましょう。そして、まずは派遣社員として働く実績を積むと、派遣会社から信頼されて、希望職種への道も近くなります。
また、働く経験はどの職種においてもムダにはなりません。
たしかに職種によってはライバルが多そうです。 |
自分に合った職種は、実際に働いてみないとわからないもんなんじゃ。自分で自分の首を絞めてはならんぞ! |
派遣社員の求人案件は、事務の仕事が大半を占めます。そして、派遣社員は即戦力を求められます。
そのため、事務未経験者は経験者よりも仕事を紹介されにくい、という傾向はやはりあります。
しかし、未経験でも諦める必要はありません!派遣先企業は即戦力を希望するケースが多いですが、それはあくまでも「希望」です。
派遣会社は派遣社員を1人選ぶ場合、即戦力となりうる経験よりも大切にしていることがあります。 それは、「性格を含めた人物像」です。
例えば、派遣社員のスキルが高い分、プライドも高いので、現場社員と合わずに長く続かなかった…、というケースはよくあります。
ですから、派遣会社は”派遣先企業に合いそうな派遣社員”を選ぶ必要があるのです。
事務未経験の人はぜひ、資格を取得したりパソコンスキルを高めたりしましょう。
前向きな姿勢をアピールできれば、派遣会社と派遣先企業から評価されやすくなります。
事務未経験の方は、資格の取得などで自分の価値を高めることが大切です。 |
何も努力しないままだと後悔しそうです!のんびりしている暇はないですね。 |
責任感をもってやりがいのある仕事をしたいと思っている人は、派遣の仕事に物足りなさを感じるかもしれません。
なぜなら、責任ある仕事を任されるのは、派遣先企業の社員だからです。
派遣で働く前に、自分がどのような職場でどのような仕事をしたいのかをしっかりと考え、そのイメージを派遣会社に伝えるのが望ましいでしょう。
そうすることで、派遣会社もふさわしい企業を紹介してくれます。
仕事に対する責任ややりがいについて、改めて考え直してみます。 |
派遣の働き方には、メリットもデメリットもあります。
派遣社員として働く前に、まずはその事実を知っておくことが、長く働き続けるために必要です。
派遣に関わらず、どのような雇用形態でもデメリットはあるため、そのデメリットをどう乗り越えるかが大切です。
ぜひ、前向きに考えて働いてみてくださいね!
デメリットについて理解できました。改めて派遣社員として頑張ろうと思いました! |
どのような雇用形態でもデメリットはあります。しかし、派遣社員は、自分のライフスタイルや仕事観にあえばメリットも多い雇用形態です。 |
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