最終更新日:2020/05/07
最終更新日:2020/05/07
ここ数年で「新卒派遣」という言葉が出てきました。就職活動に敗れニートのまま卒業してしまった学生や、さらには就活そのものに見向きもせずに社会へ放り出される学生もいます。
就職できなかった学生にしてみれば『とりあえず働けるなら派遣でも…』という人もいるかもしれませんが、新卒派遣は本当にオススメできる働き方なのでしょうか?
実際に新卒派遣で働いた経験のある人の口コミ体験談なども紹介しつつ、特徴やメリットデメリット、将来にどう影響していくかなどを解説していきます。
新卒派遣という働き方をプッシュしているのは『派遣会社』です。派遣会社は登録者を少しでも多くするために様々な施策をとっており、デメリットをあまり打ち出していません 。
「正社員ではなかなか就職できそうにないから新卒派遣を選ぼう」というのはあまりにも安易な考え方ですので、本当に新卒派遣で働くのが良いことかどうかをしっかり見極める必要があります。
もう少し詳しく新卒派遣の特徴を説明していきます。
新卒派遣は短期間で見ると正社員よりも待遇がいいケースがあります。
新卒で入社した際の初任給は想像以上に少なく、その金額に愕然とする新入社員も少なくありません。
社会保険料など引かれるもの以外に、組合費や財形貯蓄など目に見えない、学生時代には想像すらしなかった金額が計上されます。これならバイトをしていた頃のほうが多くもらっていた気がしますよね。
それに比べ、派遣社員は時間給で計算されるので働いた分はそのまま給与明細に記載されます。社会保険料や雇用保険も派遣協会けんぽに加入しているから安心だと思う人も多いでしょう。正社員で入社した友達の給料が少ないと嘆いている姿を横目でほくそ笑んでいるのではないでしょうか。
また残業代も1分単位で支払われるのが一般的です。
そうなんです。ここから保険などが引かれるので、手取りはもう少し低いですが、最初の方は正社員で就職した人よりも給与が高くなる可能性は大いにあります。ここだけ見たら新卒派遣の方がいいと感じますよね?
しかし実際は、将来的に見ると当然正社員のほうが生涯年収は高いのです。派遣社員は昇級も賞与もありません(多少の時給アップはある)。
年を重ねても、派遣は今のまま給料が変わらないのです。さらには、有期雇用なのでいきなり派遣の仕事が終了する可能性もあるので、とてもデンジャラスな働き方だと言えるでしょう。
正社員である新入社員は叱られながら残業して、先輩を見習い覚えなければならない仕事がたくさんあるのです。
お客様の顔色も気にしながら会社の利益を上げるという、なんだかよく分からないことを考えて生きていかなければなりません。
しかしながら、派遣社員は時間給で管理されているので、定時になれば当然さっさと帰宅することが許されています。残業するような仕事も任されていないので責任がなく気分的に楽なポジションと言えるでしょう。
新卒派遣者は今が良けりゃそれでいいと考えがちなので、このように無条件で与えられた楽な気分をラッキーだと捉えてしまうのです。
逆にいうと、「○○の資格の勉強をしたいから決まった時間だけ働きたい」など何か別に目的がある人の働き方としては新卒派遣は良いかもしれません。
派遣先の企業も新卒派遣者を好んで採用してくれる傾向にあります。このことから派遣会社からも仕事の紹介を優先的にされることが予測されます。
期間満了で派遣期間が終了してもすぐに次の仕事を紹介されやすいと言えるでしょう。
未経験でもチャレンジさせてみようという派遣先の思惑もあり、色々な仕事を派遣会社から打診されるので「自分は何でもできる」と勘違いしてしまうのです。
正直なところ派遣で働く場合、年齢が若ければ若いほど仕事が多く紹介される傾向にあります。若いうちはいいかもしれませんが…30代以降は徐々に紹介される仕事が減っていく可能性もあると考えなくてはいけません。
派遣業界では若さすらスキルの一部となってしまうため年齢が低いスタッフの方が需要が高い業界なのです。
当然、若い派遣スタッフは派遣先からも甘やかされ、都合よく使われていることを「必要とされている」と勘違いを起こしてしまうのです。
企業からすれば安い賃金で使い、切りたい時に切れる若年者の派遣スタッフほど好都合な人材はないのです。
新卒派遣で働くと一番苦労するのが「転職」でしょう。会社の人事担当者からしてみたら、「この人はなぜ派遣を選んだのだろうか?採用するには不安が残る…」と思われることもあり、転職活動には苦労するのは間違いないでしょう。
また派遣は「同じ業務をできるだけ早く正確に」という業務が多く、責任あるう立場になることはほぼ不可能と言っても過言ではありません。絶対ではありませんが、新卒派遣は正社員への転職は不利になると考えておいて間違いありません。
一般的な会社では年に2回ほどボーナスが支給されますが、派遣でボーナスが支給されることはありません。いくら派遣先の業績が良くても派遣社員は派遣会社の所属になるために支払われることはないのです。
給与面だと、1年間働いて時給が50円、100円アップすることもありますが、それ以上のアップは難しいでしょう。
厳しい言い方かもしれませんが、『新卒派遣=フリーター』と考えておくべきです。それぐらい正社員に転職する場合に不利になってしまう働き方と言えるでしょう。
派遣スタッフと言えども、よほどスキルが高いとなれば派遣先の企業から正規雇用のリクエストが入り引っ張られていくこともあります。
しかし、中途半端な若さだけの新卒派遣には直接雇用に匹敵するようなスキルは持ち合わせていません。
そんな若さと勢いだけが強みの使い勝手のよい新卒派遣者を派遣会社が手放すわけがありません。いつまでも派遣会社に捕まり、良いカモになることは間違いないでしょう。
新卒派遣者にとって派遣という働き方が自分のキャリアにどんな影響が及ぼすかを考えてみましょう。派遣は労働者派遣法という法律に則って成り立つ働き方です。
一度お仕事を始めると3年間しか同じ派遣先で同じ仕事をすることが出来ません。派遣先の企業はもちろん法律を良く理解しているので派遣スタッフを雇用するためにうまく派遣制度を利用しているにすぎないのです。
たとえ派遣先で好評価を頂いても期間満了となればバッサリ切られます。お情けで救ってもらえるなんてことは派遣法上、絶対にないのです。
正社員の新卒者から負け組と呼ばれないためにも派遣の良いところをうまく利用し正社員を目指しましょう。派遣という立場に安心せず危機感を持つことが大切です。
就活スケジュールをきちんと立てることと、派遣という働き方はあくまでも正社員として就職するための手段として捉えておくことが必要です。
正社員として内定が出れば期間が決まっている派遣の働き方からすぐに抜け出すことが出来るのです。超単発の仕事や期間限定の派遣の仕事を選ぶのも良いでしょう。
新卒派遣という働き方は正社員を目指す人にとっては応急処置的なポジションと言えるでしょう。新卒派遣者で将来正社員として経験を重ねていくべき人材は端から派遣を選ぶべきではありません。
地道に就活を行い苦労して手にした職は天職にも変わることでしょう。
5年後、10年後の自分自身がどうありたいかをイメージし、目指すべくライフスタイルが見えてくればそれに伴う対価は必ず手に入ります。
間違っても「派遣の方が楽だから」なんて理由で選んではいけません!
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